感動の学級経営中学校編「環境で生徒は劇的に変わる」
教師になり、授業がうまくいかない、クラスがうまくいかない、そんな時はどうしても「明日学校行くの嫌だな。」「仕事行くの嫌だな。」などと思ってしまいますよね。
しかし、逆に学級経営が上手く行くとその世界は一変し、【明日もみんなに会えるのが楽しみ!】【仕事楽しい!】そう思えるようになるものです。誰だって教師なら、最高のクラスを作りたいと思ったりしますよね。
そこで本ブログでは、感動の学級経営シリーズとして、1年の最後に全員が涙して終われることを目指し、若手教師のみなさんの学級経営に、少しでもお役に立つことができればと思っています。今回は、
【環境】を変えるだけで生徒が成長する理由
ディズニーに学ぶ、教師の在り方
どのようにして【良い環境】を作ればいいのか
という内容を、中学校教員として学級満足度100%を達成し、都道府県優秀教員に推薦された僕が解説していきます。
【環境】を変えるだけで生徒が成長する理由
自分を変えたいと思う時、
自分を成長させたいと思う時、
意思の力よりも環境を変えることが大切。
そんな言葉を聞いたことがあります。
人は、良く一緒にいる人に似る(類は友を呼ぶ)と言われています。
例えば、医者の息子は医者になる人が多く、関西に住んでいる人は、みんな関西弁を話します。ギャルの周りにはギャルが多く、オタクの周りにはオタクが多いですよね。
ギャルの中にオタクがいることはほとんどありません。
良くいる人に人は似ますから、その置かれた環境で人というのは変わっていくのかもしれません。以下の画像をご覧ください。
日本テレビの番組で【50日で女性の顔は変わるのか】という検証が行われました。この女性は当時21歳で漫画研究会に所属し、
「自分の顔をさらしたくない」
と、絶対にマスクを外さないオタク女子でした。番組では50日間イタリアの男性に褒めまくってもらうというプランでした。かなりの変化に視聴者の中で大きな話題になりました。
こちらは、28歳の女性。休日は12時間ゲームをしているとのことですが、50日間ダイヤモンドを身につけて生活する、というプランでした。どの女性も、恐ろしいほどに変わっていく姿に、当時大反響がありました。
また、これとは別で、「どうしてジェイソンは病院にいるの?」という有名なストーリーがあります。
――どうしてジェイソンは病院にいるの?
それは、彼の足にひどい感染を起こしたからだよ。
――どうしてジェイソンの足には悪い病気があるの?
それは、彼が足を切ってしまって、そこから感染を起こしたんだよ。
――どうしてジェイソンは足を切ってしまったの?
それはね、彼が、アパートのとなりの廃品置き場で遊んでいたら、そこには尖ったギザギザの鉄くずがあったからなんだよ。
――どうしてジェイソンは廃品置き場で遊んでいたの?
それはね、彼が荒れ果てたところに住んでいるからだよ。そこの子どもたちはそんな場所で遊ぶし、だれも監督していないんだ。
――どうしてそういうところに住んでいたの?
それはね、彼の両親が、もっと良いところに住む余裕がないからさ。
――それはどうしてもっと良いところに住む余裕がないの?
それはね、彼のお父さんは仕事がなくて、お母さんは病気だからね。
――お父さんにお仕事がないって、どうして?
それはね、彼のお父さんはあまり教育は受けていないんだ。それで仕事が見つからないんだ。
個人ではどうしようもできない状況に、人生が左右され得るというです。それは、健康から性格、特技進学、就職、転職等も同様です。
【環境が人を作る】という言葉があるのが納得できます。
生徒は1日のほとんどを学校で過ごします。
そして学校生活のほとんどをクラスで過ごします。
良くも悪くも、担任の先生が作る【環境】が、生徒を大きく変えていくことになるのです。
【ディズニーに学ぶ】中学校教師としての在り方
さて、教育の中で【良い環境を作る】ことの大切さはわかっていただけたと思います。しかし、この【環境】を作るには、ある程度のエネルギーがいるものです。そこで、みなさんにぜひ読んでほしい文章があります。これはディズニーランドで起きた、「命のサイン帳」の話です。(道徳のネタにも使えます)
ある日、若い夫婦が二人でそのレストランに入りました。
店員はその夫婦を二人がけのテーブルに案内し、 メニューを渡しました。するとその夫婦はメニューを見ずに「お子様ランチを2つ下さい。」
とオーダーしたのです。
店員は驚きました。なぜなら、ディズニーランドの規則で、
お子様ランチを提供できるのは9歳未満と決まっているからです。店員は、「お客様、誠に申し訳ございませんが、お子様ランチは9歳未満のお子様までと決まっておりますので、ご注文はいただけないのですが...」
と丁重に断りました。すると、その夫婦はとても悲しそうな顔をしたので、店員は事情を聞いてみました。
「実は…」と奥さんの方が話し始めました。「今日は、亡くなった私の娘の誕生日なんです。私の体が弱かったせいで、娘は最初の誕生日を迎えることも出来ませんでした。子供がおなかの中にいる時に、主人と“3人でこのレストランでお子様ランチを食べようね”って言っていたんですが、それも果たせませんでした。 子どもを亡くしてから、しばらくは何もする気力もなく、最近やっと落ち着いて、亡き娘にディズニーランドを見せて三人で食事をしようと思ったものですから…」
店員は話を聞き終えた後、「かしこまりました」と答えました。
そして、その夫婦を二人掛けのテーブルから、 四人掛けの広いテーブルに案内しました。
さらに、「お子様はこちらに」と、夫婦の間に子供用のイスを用意しました。やがてそのテーブルには、お子様ランチが3つ運ばれてきました。 その店員は笑顔でこう言いました。「ご家族で、ごゆっくりお過ごし下さい」
この夫婦から後日届いた感謝状にはこう書かれていました。
「お子様ランチを食べながら、涙が止まりませんでした。まるで娘が生きているように、家族の団らんを味わいました。こんな体験をさせて頂くとは、夢にも思っていませんでした。もう、涙を拭いて、生きていきます。また来年も再来年も、娘を連れてディズニーランドに行きます。そしてきっと、この子の妹か弟かを連れて行きます。」
ディズニーランドの感動する話
この店員のしたことは紛れもない規則違反です。しかし、実はディズニーランドには
「本当にそれがお客様のためだったらそのルールを曲げても良い」
というルールがあるのです。そして、みなさんに知っていただきたいことは、
マニュアルを超えたところに感動があるのです。
教育というのは、時間をかければかけるほど、提供する質が上がります。働き方改革、定時退勤は確かに大切。しかし、「本当にそれが生徒のためだったら、そんなルール俺が変えてやる」というくらいの在り方、そして生徒に対するおもてなしの心を持っていただきたいのです。
良い環境の作り方【学級経営の取り組み】
前の段落でディズニーの話をしましたが、やはり根本は、コツコツ、少しずつ、を積み重ねなくてはいけません。どのようにして【良い環境】を作っていくべきなのか、その流れを紹介します。
まずは、誰が入ってきても清らかでいられる教室を作る
手順① ~1ヵ月目 リーダーとして背中を見せる
リーダーの定義:やってみせる
みなさんは教師である以上、ボスではなくリーダーであってほしいです。生徒から見て「この人に着いて行けば確実だ」、「この人かっこいい」、「こんな大人になりたい」と思わせるような行動をする努力をする必要があります。
そのため、まずは自分自身で教室をきれいにする動きを取ることです。下校時刻10分前から教室にいき、教室整備をしましょう。生徒が授業で教室が空いていたら、ジャージを畳んだり、教室を綺麗にしてください。この時、生徒に強要してはいけません。「手伝って」とも言わないことです。
せっかく綺麗にしたのに平気で汚くしていく男子生徒を見て、イラつくこともあると思います。
最初は我慢です。
手順② 1ヵ月~2ヵ月 支援者が増える
担任の先生が一生懸命教室整備をしていると、
何も言わずとも数名の生徒が協力してくれるようになります。
一緒に整頓してくれる生徒、黒板を消してくれる生徒、色々です。その生徒に心からのお礼を伝えましょう。
ここまでくればみなさんの学級経営はなかなか順調です。
クラスは台車引きと同じです。まずは台車に子どもを乗せて教師が一生懸命引っ張ります。すると何人かが台車から降りて教師と一緒に台車を引っ張ってくれます。3学期になれば教師を台車に乗せて生徒が引っ張ってくれます。そうすることでクラスが完成していきます。教育現場には生徒に対して【ボス】のような先生が圧倒的に多いです。みなさんにはそうなってほしくないと思います。
手順③ 2ヵ月~ 学級全体で感謝を伝え、褒める
さて、教室を綺麗にしてくれる生徒が現れたら、その生徒をすかさず褒めましょう。学級通信に載せるのも帰りの会等のHRで褒めるのも良いでしょう。以下の学級通信を参考にしてみてください。
手順④ 3ヵ月~ 学級に語る【生徒指導的観点】
ウンコにはハエしかたからない
蝶の集まる花を目指そう
先生がリーダーシップを持ってやっていると、
生徒は、やってもらって当たり前、という感覚になります。
これでは良くありませんね。ですので、【環境作り】の取り組み開始3ヵ月弱を目安に、先生の【語り】をいれましょう。
【環境を整える大切さ】について、できるだけ深い語りを生徒にすることが大切です。
以下を参考にしてください。過去に話した「語り」で、学級通信にも載せています。
教室が汚い。私は、担任として可能な限り、
学級通信より
毎日みんなが帰った後に教室を整備していますが、ひどい。
なんできれいにしたいかわかっていますか?
先生がきれい好きだからだと思っていますか?
今のみんなの現状は、学級委員には挨拶の声が小さいと言われ、
担任からは返事ができないと言われ、
何人も期限が守れず、
男子はジャージをたためない、
ロッカーも引き出しもぐちゃぐちゃ、
女子は声を出すことができない、
クラス全体で見ると定期試験は下降傾向・・・。
この状態で良いチームは作れない。
この環境で、みんなの人間性は伸びない。
環境は人を変える。汚ければ汚い人間になるだけ。
…楽しければそれでいい、仲が良ければそれでいい。
大人に叱られなければそれでいい。
受験に受かればそれでいい。
それは「立派な人間」ではない。
「立派そうに見える人」。
それでこの先幸せになれますか?
義務教育最後の年、
せっかく多くの縁があって1組にこのメンバーが集った。
この仲間たちと最高のチームを作りたい。
全員で成長し、社会で活躍できる人間性を身につけていきたい。
そんな気持ちがあります。
いつも、放課後教室を見ると悲しくなります。
今の1組は、なんでも楽しくやっているように見えるだけ。
実際はチームとして、まだまだ何もできていない。
受験をみんなで戦い抜きたいのであれば、まずは環境を整えるべき。
環境は人を変える。
良い人間は良い環境の中から生まれる。
私はそう信じています。
だからこそ、
みんなにはできる限り環境を整えてあげたいとも思うし、
作り上げていってほしいと願います。
3年1組が40人を入れるだけのただの箱であってはならない。
私はこの先も、1組のみんなを誰よりも愛し、想い、厳しくしていきます。
今のみんなは、大人にやってもらえるのが当たり前だと思っている。
15歳として、小さな大人として、
このまま同じことを言われ続けてはなりません。
まず、このクラスを学校で1番きれいにしよう。
いつでもきれいにしておけば、人は汚さない。
汚くなるまでほっておいたら、
ますます汚すようになる。
このクラスは、私にとって
とても重要な意味をもっている。
完成することのないもの、
常に発展し続けていけるもの。
クラスは生きている。
最高の環境を維持し、
個々が伸びる場所であれ。
誰が入ってきても、
清らかでいられるクラスであれ。
その後、劇的に全員の意識は変わり、下記の学級通信にもあるように、最後には僕が何も言わなくても生徒だけで最高の環境を維持してくれるようになりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。【感動の学級経営シリーズ】として、今後も違う視点から色々と書いていこうと思います。みなさまの学級経営に、少しでもお役に立つことができたら嬉しいです。またぜひご覧ください。以下の記事も合わせてご覧ください。
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