【実践可】学級経営がうまい先生と、そうでない人の違い5選
教師にとって学級経営は大きな役割であり、とても難しいものでもあります。
「生徒のために良いクラスを作りたい。」教師なら、誰だってそう考えるものです。
しかし、どうもうまくいっていない気がする。クラスが思うようにいかない。自分の理想とは程遠い。どうすればいいんだろう。
僕自身もそんな悩みを抱えていた教員の一人です。
【学級経営がうまい先生】と何が違うのだろう。そこから僕は、運良く、文部科学省優秀教員に選出された先輩と出会い、劇的に学級経営がうまく行き始めました。今回は、その先輩から習った
・良い学級経営とは
・学級経営がうまい先生と、そうでない人の違い5選
という内容を、学級満足度100%を達成し、【学級経営】の分野で都道府県優秀教員に推薦された僕が解説していきます。
良い学級経営とは
「ボスになるな」
文部科学省優秀教員の先輩S先生から、何度も言われた言葉です。
「担任の先生として、【ボス】になってはいけない。【リーダー】になれ。」と。
S先生の教えの以下の言葉は僕がそれ以降、学級経営をする時に必ず意識していたことです。
クラスは台車引きと似ている。まず1学期は台車に子どもを乗せて教師が一生懸命引っ張りまる。すると2学期になると何人かが台車から降りて教師と一緒に台車を引っ張ってくれる。3学期になれば、教師を台車に乗せて生徒が引っ張ってくれるようになる。学級経営は、そうやって完成していく。教育現場には生徒に対して【ボス】のような先生が圧倒的に多い。おまえはそうなってほしくない。
文部科学省優秀教員、S先生の言葉
教師である以上、みなさんにはボスではなくリーダーであってほしいと思います。生徒から見て「この人に着いて行けば確実だ」、「この人かっこいい」、「こんな大人になりたい」と思わせるような行動をする努力をする必要があります。
リーダーの定義:やってみせる
学級経営がうまい先生と、そうでない人の違い5選
ここからは、学級経営がうまい先生とそうでない人の圧倒的な違いを5つ紹介します。僕は、これを先輩から教わり、この5つを意識し始めた年から、クラスがうまく行き始めました。ぜひご参考ください。
えこひいきと不公平に敏感
生徒は「えこひいき」や「不公平」をとても嫌います。教師に全くそのつもりはなくても、生徒はそう受け取ることがあるのです。
これは、クラスの荒れる原因にもなります。厄介なのは教師本人には全くそのつもりがない場合がほとんどであり、勝手に生徒間に不公平感が蔓延してしまうのです。
「○○先生、みんなから嫌われてるよ。」
なんて心無いことを言われたりします。
例えば、「異服(許可されていない服装)は認めない」などという校則があり、実際に日本中で今も先生たちは格闘しています。
ところが、この校則は生徒が全員従っている時は、まだ成り立り指導ですが、1人の生徒がこの指導に従わなかっただけで、生徒間(特におとなしい真面目な生徒)には不公平感の渦が湧きます。
おとなしく従う生徒には守らせ、荒れた生徒にはその異装を見送る以外には方法がないため、指導に2つ目のの基準が生まれたのです。
後になってから、基準を変更したり、生徒によって基準が変わるようでは、教師への不信が広がります。したがって、学級に規律を導入する時には、守れない生徒への援助をどうするか、周囲の生徒にはどんな協力を得るか、などをあらかじめ想定しておきましょう。
特に注意すべきことは、例えば、
普段、私語が多く好感の持てない生徒の80点の答案用紙を返す時と、
真面目に取り組んでいた生徒の80点の答案用紙を返す時に、
教師も人間なのでつい表情に差が出てしまいます。
その他にも生徒は、
男女(男性の先生は女好き、女性の先生は男好き)、イケメン、かわいい、特定の生徒(荒れている生徒)に対してのみなさんの言動や行動を良く見ています。
全くそのつもりがないところで言われてしまうからこそ、みなさんが意識を高く持つことが大切です。
生徒の生の声を聴く
学級経営がうまい先生は、生徒の生の声を良く聞いています。
例えば、席替えの時。席替えは、生徒にとって学級の中で最も興味関心が高いものでもあります。
先生の視点で言えば、
○○と△△は離した方が良い。前の方が良い。等、配慮すべきことが多いですよね。
しかし、必ず頭に入れておいていただきたいことは、席替えによって
- 生徒や保護者から不満や苦情が来ることもある
- 不登校やいじめに発展することもある
- 過去に殺傷事件が起きたこともある
ということです。その背景は、複雑な人間関係のもつれによるものでしょう。
教師は、先生よりも生徒の方が詳しい、【生徒の世界】があることを知るべきです。
生徒の知恵や意見を反映させて座席を決めた方が、不平不満は圧倒的に減ります。
また、生徒の個性を理解することにも努めていきましょう。
じっくりと時間をかけて生徒の声に耳を傾けることが大切です。コミュニケーション能力で1番大切なのは、【面白く話せること】でも【わかりやすく話すこと】でもありません。大切なのは【聞く力】です。
【読む】【書く】【話す】は学校で習いますが、【聞く力】は学校では習えません。従って、先生たち自身もとても下手くそな人が多いように感じます。特に、スキルと経験に凝り固まった教員は、生徒の話を聞こうとはしません。
・【褒める】【認める】【共感する】
・生徒の話を良く聞き、個々の違いを理解する
環境整備がされている
生徒が普段いる教室の環境整備をちゃんとするだけで、生徒は成長していきます。
例えば自己啓発で、自分を変えたいと思う時、自分を成長させたいと思う時、
意思の力よりも環境を変えることが大切。そんな言葉を聞いたことがあります。以下の画像をご覧ください。
日本テレビの番組で【50日で女性の顔は変わるのか】という検証が行われました。この女性は当時21歳で漫画研究会に所属し、
「自分の顔をさらしたくない」
と、絶対にマスクを外さないオタク女子でした。番組では50日間イタリアの男性に褒めまくってもらうというプランでした。かなりの変化に視聴者の中で大きな話題になりました。
こちらは、28歳の女性。休日は12時間ゲームをしているとのことですが、50日間ダイヤモンドを身につけて生活する、というプランでした。どの女性も、恐ろしいほどに変わっていく姿に、当時大反響がありました。
また、これとは別で、「どうしてジェイソンは病院にいるの?」という有名なストーリーがあります。
――どうしてジェイソンは病院にいるの?
それは、彼の足にひどい感染を起こしたからだよ。
――どうしてジェイソンの足には悪い病気があるの?
それは、彼が足を切ってしまって、そこから感染を起こしたんだよ。
――どうしてジェイソンは足を切ってしまったの?
それはね、彼が、アパートのとなりの廃品置き場で遊んでいたら、そこには尖ったギザギザの鉄くずがあったからなんだよ。
――どうしてジェイソンは廃品置き場で遊んでいたの?
それはね、彼が荒れ果てたところに住んでいるからだよ。そこの子どもたちはそんな場所で遊ぶし、だれも監督していないんだ。
――どうしてそういうところに住んでいたの?
それはね、彼の両親が、もっと良いところに住む余裕がないからさ。
――それはどうしてもっと良いところに住む余裕がないの?
それはね、彼のお父さんは仕事がなくて、お母さんは病気だからね。
――お父さんにお仕事がないって、どうして?
それはね、彼のお父さんはあまり教育は受けていないんだ。それで仕事が見つからないんだ。
個人ではどうしようもできない状況に、人生が左右され得るというです。それは、健康から性格、特技進学、就職、転職等も同様です。
【環境が人を作る】という言葉があるのが納得できます。
生徒は1日のほとんどを学校で過ごします。
そして学校生活のほとんどをクラスで過ごします。
良くも悪くも、担任の先生が作る【環境】が、生徒を大きく変えていくことになるのです。以下のような言葉を、僕は学級に掲示しています。
いつでもきれいにしておけば、人は汚さない。
学級掲示より
汚くなるまでほっておいたら、
ますます汚すようになる。
このクラスは、私にとって
とても重要な意味をもっている。
完成することのないもの、
常に発展し続けていけるもの。
クラスは生きている。
最高の環境を維持し、
個々が伸びる場所であれ。
誰が入ってきても、
清らかでいられるクラスであれ。
言動と行動が伴っている
生徒は、教師の言動や行動を良く見ています。
例えば、
「時間を守れ」と言うのに
遅れて授業に来る
「ちゃんと掃除をしよう」と言うのに
自分は掃除をしない。
「全部食べましょう」と言うのに
自分は残すことがある。
「ピアスはいけません」と言うのに
自分は付けてくる。
「3分前着席」と言うのに
終了チャイムがなっても授業している。
【先生は大人だから】という言い訳は、生徒たちからしたら理解してくれません。
背中で見せられる大人、憧れられる先生になれると素敵ですよね。
プロ意識が高く、深い語りができる
教師にとってのプロ意識とはなんでしょう。私は以下を教わりました。
また、生徒指導でみなさんに大切にしてもらいたいことは、
【なぜ】それが大切なのかを語れるようになること
例えば
「スカートを短くするな!」
「時間はちゃんと守れ!」
「ケータイは持ってくるな!」
「中学生になってので勉強を頑張りましょう!」
「人のことを殴ってはいけない!」
「体育祭の練習はみんなで団結して頑張りましょう!」
「挨拶は大きい声でしましょう!」
等々、良く聞かれる文言ですよね。結論から言って、この指導では浅いのです。
なぜスカートを短くしてはいけないのですか?
なぜケータイは持ってきてはいけないのですか?
なぜ勉強を頑張らないといけないんですか?
この【なぜ】を語れるか語れないかで、学級経営には圧倒的な差ができるのです。
以下の記事も合わせてご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ぜひみなさんも5つの内容を意識し、学級経営を行ってみてください。何かのきっかけになることができれば幸いです。
このブログでは、若手の先生を、心から応援するために作成しています。またぜひ遊びに来てくださいね。
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