感動の学級経営中学校編「今、不登校支援はどうあるべきか」
教師の業務は、授業に生徒指導、掃除に給食、事務作業と、多岐に渡ります。みなさんも、日々慌ただしい毎日をお過ごしだと思います。その中でも、【学級経営】は教師として大きなウエイトを占めていることは間違いありません。
そして、みなさんの悩みの1つに【不登校支援】がある先生も多いのではないでしょうか。何をしてあげればいいのか。その生徒にとってのベストはなんなのか。通常業務の中での家庭訪問等、不登校生徒に対しての支援も考えるのが担任の仕事でもあります。
現代社会は目まぐるしい変化の渦が巻き起こり、その影響なのか、生徒の不登校の【質】やそれに対応するための仕組みも、ひと昔前とは大きく変わっていると言って良いと思います。令和になった今、担任として何をすべきなのか、今回は
・文科省と食い違う実態
・本当に不登校の生徒にしかわからない本音
・教師の支援の仕方
・不登校生徒に対して言ってはいけないこと
という内容を、中学校教員として学級満足度100%を達成し、都道府県優秀教員に推薦された僕が解説していきます。
文科省と食い違う実態【中学校・学級経営】
文部科学省によると、平成29年度に全国の中学校で約11万人。さらに、日本財団によると、学校には行くものの教室に入れないなど“隠れ不登校”とも言える中学生が33万人もいるのです。あわせると44万人にものぼる子どもたちが、なぜ学校生活に苦しんでいるのか。その実態を調査するため
・子どもの生の声を聞くためのLINEアンケート
・文科省の調査
この2つの調査を比較してみます。よく見ると、とんでもないほどの誤差があることがわかります。
調査の仕方についてですが、
実は文部科学省は毎年、学校を通じて調査をしています。
NKHは、子どもたちのLINEを通してのアンケートを行いました。
ちなみに文部科学省で多かった不登校の理由は、
・家庭にかかる状況
・いじめを除く友人関係
・学業不振
でした。文科省の調査では、【いじめ】や【先生との関係】が圧倒的に過小評価されているのです。確かに、学校としては認めにくいかもしれませんが、それでも、子どものための学校です。私たちは、それを忘れてはいけません。
ガチな不登校にしかわからない本音【中学校・学級経営】
ここでは、本当に不登校だった生徒からの生の声を紹介します。みなさんも、不登校の生徒に対し、様々な施策を打つと思いますが、それが自己満足で終わらないためには、まずは生徒が【本当は何を思っているのか】を知ることが大切だと思います。
学校のみんなから
「学校においでよ!」
って内容の手紙が届くけど、
先生に言われたから
書かされたんだろうな…
と思って素直に喜べない
余計に行く気無くす
そして勇気出して行ってみたら
「なんで来たの?」って言われて
その後、二度と行けなくなる。
修学旅行にも誘われるが
行けば誰も相手にしてくれないのがわかるから
結局いけない
行けなかった修学旅行の
お土産をもらい
大ダメージ喰らう
フリースクール的なところに
連れていかれる
通い始めると
精神的負担が
実は1/3くらいに減る
電話のベルの音が猛烈に怖い
電話が勧誘だった時の安堵感
久々に人と話したら
コミュ力の衰退に驚く
善人面した奴らが1番怖い
夜中に音楽を聴いて
妙にテンション上がる
そしてその後急激に落ち込む
授業真っ只中の学校を
チャリ乗ってかなり遠めから見ている
朝「おーみんな登校してるーご苦労なこったw」
昼「あ、皆下校してる。楽しそうだな。」
夜「さみしいな…」
高校で不登校の絶望感は異常
俺は大学どころか
高校も卒業できねえのか…うぅ…
「明日こそ学校へ行くか」
→緊張して寝れない
→こんな寝不足じゃ無理の無限ループ
「学校に来いよ」
みたいな言葉が1番辛い
「大丈夫、信じてるから」
という母ちゃんの言葉に涙
同級生と楽しく学校生活を送る夢を見る
目覚めたとき夢と気付いて涙
親が仕事から帰ってくる時間になると
自室にいても落ち着かない
親の話声が怖すぎる
「はいもしもし」
「いつも息子がお世話になっております。」
ヒィィィィィィィィィ!!!
教師の不登校支援の仕方【中学校・学級経営】
ここからは、担任の先生がどのように不登校支援をしていけばいいのかを紹介していきす。
不登校生徒に対して言ってはいけないこと〇選【中学校・学級経営】
不登校の生徒に対してよくありがちなのが、先生は良かれと思って話しているのに、逆に生徒を傷つけてしまう場合です。鬱病患者に対してもよく動画等で「鬱の人にこれは言わないで!」といった動画がありますが、不登校の生徒に対してもそういったNGワードがあるので、ご紹介します。
元気になったね 大丈夫になったね
どうして?
なんで学校に行けないの?
↑子どもが何も聞いてきてないのに、言うのはNG
このままじゃ生きていけないね
学校、楽しいよ!
せっかくだし頑張ってみれば?
学校に行きなさい!
学校に行かなくてもいいよ!
↑「学校に行きなさい!」よりも言ってはいけないセリフ。
近年ではこのようなことを言って支援する仕方を見かけますが、
親や先生から、これを言ってしまうと
「え、お母さん(先生)学校に行かなくても良いって言ったよね?」
「何言ってるの?」となってしまいます。
不登校支援の際に大切なこと
不登校支援といっても、家庭訪問から学習補助、手紙のやり取りやスクールカウンセラーの紹介等多岐にわたります。正直言って、【これが正解!】という確かなものはありません。しかし、これまでの経験上、【これはぜひ取り入れてほしい】そういった不登校支援で大切なことを紹介します。
まず、不登校気味の生徒が、
「学校に行きたくない」と言ったら、
「なんで?」と理由を聞かずに
とりあえず休ませてあげる
ことが大切です。生徒からの「学校に行きたくない」という言葉は、生徒が一人で苦しんだ先の一言なのです。「言葉にしてくれただけ良かった」と承認してあげること。まずは、安心させてあげること、これが1番の回復に繋がることが多いと思っています。
また、不登校生徒に対しての学習支援の際に生徒に意識させるべきポイントは
焦らせないこと
が大切です。例えば、小5の頃から勉強をやり直さなければわからないのに、いきなり中学の学習プリントをさせてしまう。そうすると生徒は99%挫折してしまいます。大切なことは、継続できるかどうかです。慎重すぎるくらいで構いませんので、なんなら小3くらいまで戻っても大丈夫です。そうすると最初は簡単に学習を進めることができます。挫折さえしなければ未来は開けていきます。
不登校支援に【こうすれば良い】という、明確な処方箋はありません。ですので、
色々やるしかない
が正解かもしれません。そして、保護者の方には
【しんどい】【色々考えている】という姿を
子どもに見せても良い
そう伝えてあげるといいかもしれません。
「Aをやったからプラス」
「Bをやったからマイナス」なんてことは、
偶然性もあるので読めません。しかし、【見守るだけで良い】ということは絶対にありません。とりあえず気にして、何かを色々やってあげてください。そう、保護者には伝えてほしいと思います。子どもの方から「何もしないでくれ」と言われたら、2~3日様子を見ていいでしょう。
そして、先生並びに保護者に共通して言える最も大切なことは
会話量は全てのキーポイント
今何を考えて、どう思っているのか、そのような話は、子どもは嫌がるかもしれませんし、中学生だと、自分の内面の言語化はまだ難しいとも思います。しかし、【どれだけ話せるか】これが、現状みなさんの抱える不登校生徒の次なる1歩のヒントになるはずです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。不登校の生徒に対しての施策はたくさんあります。「どんな声掛けをすればいいのか」「何をしてあげるのがベストなのか」それは、子どもとの会話を増やし、気持ちをわかってあげることが大切なのかもしれません。
本記事は、【感動の学級経営シリーズ】として、今後も違う視点から色々と書いていこうと思います。みなさまの学級経営に、少しでもお役に立つことができたら嬉しいです。またぜひご覧ください。以下の記事も合わせてご覧ください。
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