【教師・親必見】「勉強将来使わないじゃん」への解答3選

中学生の親御さん向け

【教師・親必見】「将来使わないじゃん」への解答3選

思春期の子供を持つ親御さんや、若い先生の中には、「なんで勉強なんてしなくちゃいけないの?」「因数分解なんて将来使わないじゃん!」なんていった問いを子供から受けたことがあるのではないでしょうか。【上手く言語化できない】や、【確かにそうなんだけど、勉強の大切さをわかってほしい】等の声が良く聞かれます。そこで今回はそんな疑問に答えるべく、

【勉強する意味】への解答として
・島田紳助さんに学ぶ、勉強の意義
・Twitterで40,000リツイートを記録したあるお母さんの解答
・福沢諭吉、学問のすすめから抜粋

を、現在大学でチームビルディングの授業や研修をしている、元中学校教員の僕が紹介します。これを読めば、ばっちり子供に対して、勉強する意味を答えられるようになります。

勉強する意味①【島田紳助】人生の選択肢が増えるから

何で中学生はこんなに勉強するの? テストってそんなに大事なの?
親は何で勉強しなさいって言うの? 将来何に使うの?
中学生にもなれば、この疑問を抱いている人も多いと思います。
確かに勉強は、しなくても生きていける人もいます。
では、なぜ勉強するのか・・・
その疑問に対して先生は、人生の選択肢が増えるからだと言います。
私の友人に、東大に行った人がいます。
今、その友達はスイミングでコーチをしています。
彼は、周りから、「なんでその仕事なんだ」と良く言われるそうです。
確かに、東大出身なら、もっとお金を貰える仕事なんていくらでもあったはずです。
でも、その人は「色々できたけど、コーチという仕事を自分から選んだ」んです。
選択肢はたくさんあったはずです。
これは簡単に例えれば、お小遣いと同じです。
お小遣い1万円貰っている人と、1000円を貰っている人。
1万円だったら何でも買える。でも、300円のものを買ってもいい。
でも、1000円しか持っていないと、2000円のものは買えない。
みんなに「勉強してほしい」と、大人は願うものです。
大人の中に、もっと勉強しておけば良かったと後悔する人はたくさんいます。
しかし「こんなに勉強しなきゃ良かった」と後悔する人はいません。
きっと、多くの選択肢の中から最高の選択をしたからではないでしょうか。
1万円あれば、9000円のものを買ったって300円のものを買ってもいいんです。
先生は、みんなの人生の選択肢を広げるために、勉強を教えたい。
数学という教科で、少しでもみんなの手助けができたらなと思っています。
みんなが高校選択を迫られるときが来たら、後悔しないベストな選択を一緒に考えていきましょう。

学級通信より

これは島田紳助さんの言葉を借りて、僕が中学生に向けて伝えていた内容です。僕自身はこれがバッチリはまりました。すっと腑に落とすことができ、それ以降、【勉強の意味】に対する答えはこれでした。これを生徒に伝えはじめてから、生徒から
「なんで勉強なんかしなくちゃいけないんですか?」
「○○なんて将来使わないじゃないですか!」というような質問が来ることは一切ありませんでした。以下の動画がオリジナルです。ぜひご覧ください。

勉強する意味②【Twitter】40,000リツイートの解答

先日、こんなソイートが話題となりました。子どもが「なぜ勉強をするの?」と母親に間いたときのこと。そのお母さんは、こう答えてくれたそうです。

勉強をなぜするのか親に訳いたときに、
コップを指して
「国語なら『透明なコップに入った過ったお茶』、
算数なら『200mlのコップに半分以下残っているお茶』、
社会なら『中国産のコップに入った静岡産のお茶』と色々な視点が持てる。
多様な視点や価値観は心を自由にする」

Twitterより

というようなことを返されたこのツイートは4万件近くのリツイートやお気に入り登録がなされるなど、多くの共感の声がこのお母さんの回答に集まりました。それと同時に、「なぜ勉強をするのか」という問いは、多くの人にとってとても大きな関心であることが分かります。

勉強する意味③【福沢諭吉】学問のすすめ

勉強するのは騙されないため

勉強をしていない人というのは、何でも信じてしまう傾向があります。
悪い奴らは、勉強をしていない人が簡単に騙せると知っているので、搾取(さくしゅ)の的にします。
詐欺、リボ払い、宝くじを買うなど、勉強していない人は、その商品を売っている人が何を考えているのかまでは考えないから騙されます。
勉強すればするほど疑問が生まれるもので「なんで無料でもらえるんだろう?」とか「なんで簡単にお金を貸してくれるんだろう?」とか考えるんです。
そして調べながら勉強していると、これらの商品の裏側にあるビジネスモデルに気が付くことができます。にもかかわらず、学ばない人は調べることもしないから全て信じ込んでしまい、結果的にお金と健康を失うことになっています。
福沢諭吉はこう言っています。

学問とは、つまるところ判断力を養うことである

学べば学ぶほど、いろんなことに疑問を持つことが出来るようになります。
「なんでこうなるんだろう?」って感じ。そうやって疑問に思ったことを調べていくことで、物事の本質に辿り着くことができるわけです。ニュートンだって、リンゴが木から落ちるのを見て「なんでリンゴは木から落ちるのに、月は落ちてこないのだろう?」という疑問を抱きました。そんな疑問から辿り着いたのが万有引力の法則。もし、ニュートンが物理学を学んでいなかったら、こんな疑問は絶対に生まれなかったんです。学べば学ぶほど疑問が生まれ、本質に気付くことができます。そうすることによって、正しい判断をすることができるようになるんです。

学ばなければ人望が身につかない

人望とは、多くの人が寄せる尊敬・信頼・期待のこと。簡単に言うと、ついて行きたくなる人ってことですね。バカな経営者についていく社員はいないし、バカな投資家にお金を預ける人もいないお思います。あなたがついて行きたいと思う人って、頭のいい人ではないですか?本を見ていても、東大やハーバード卒業とう学歴があるだけで、ある程度本は売れています。それは、この人からなら学べると世の中の人は感じるからです。
福沢諭吉はこう言っている。

人望を手に入れるためには、知性と心の素直さが必要である

自分よりバカなリーダーについて行く人はいないし、こいつバカそうだなという医者に行こうとも思いません。弁護士などの士業は特に、頭が良さそうに見えないと商売が成り立ちません。つまり、たくさんの人が寄ってくる人というのは知性の高い人というわけなんです。

学ぶのは選択肢を広げるため

世の中には、勉強しないとなれない職業がたくさんあります。高卒の場合、そもそも上場企業の面接試験すら受けることが出来ないってこともあります。勉強した人は、多くの手札の中から1番満足の出来る1枚を選ぶことができるけど、勉強をサボった人の選択肢は悲しいほど少ないわけです。
大学を卒業してから定年まで働くとして「82,560時間」も働くことになります。中卒や高卒で働きだすともっと長いし、残業も多少は考慮するともっと長い時間働くことになります。

1日:8時間
1年:240日
22~65歳まで:43年間
8x240x43=82560時間

この時間はピンとこないかもしれませんが、職業の選択肢が少ないというのは人生の選択肢が少ないのと同じってことなんです。就職の面接では、実際に仕事が出来るかどうかなんて見抜けないから、やっぱり学歴フォルターは採用されるわけです。勉強が出来なくても仕事はできると自信を持っていても、戦うチャンスさえ与えてもらえません。社会に出ると、何をするにも学力でふるいにかけられてしまうから、勉強を面倒くさいと思って頑張れない人は、何も頑張れないと判断するのが大人の社会。学生の人で、今何をやりたいか決まっていない人は特に勉強している方がいいでしょう。学生の間っていうのは、自分がどんな仕事に就きたいのかを勉強を通して考える期間だと思ってください。実際、20歳を超えてから、成りたい職業が決まった時に、学力がないせいで成れないというのが一番辛いことなんです。「もっと勉強しとけばよかった!」って言う大人を見たことないですか?

勉強しないと地位が低くて貧乏になる

実は、これがシンプルに一番きついこと。福沢諭吉はこう言っている。

天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず

単純に解釈すると「人間は平等」って意味だと思います。「人は生まれによる身分の上下はなく平等である」という意味だと思っている人がほとんど。でも、本当の意味は違います。社会を見ると、生まれた時は平等でも、歳を重ねるにつれて賢い人と愚かな人が出てきます。貧しい人とお金持ちの人、優しい人と犯罪者、地位の高い人と低い人。この差はいったい何でしょうか?
その答えは…

学ぶか学ばないか

ただそれだけだと言っています。福沢諭吉のこの言葉は「人間は平等」ではなく「人間に生まれたからには積極的に学びましょう」と言っているのです。世の中には、難しい仕事と簡単な仕事がありますよね。頭を使う仕事は難しい仕事で地位の高い人が担い、頭を使わなくても出来る仕事は簡単な仕事で地位の低い人が担うと福沢諭吉は言っています。その違いは、学問を学んだか学んでいないか。

学ぶとは何か

これ一番重要な話になります。数学などの勉強は重要ですが、それだけだと金槌やノコギリの名前を知ってるだけで家の建て方を知らない大工と同じなんです。大切なことは、学んだことをどう現実社会に活かすか。そう考えると実生活も学問で、経済や世の中の流れを察知するのも学問というわけです。
福沢諭吉はこう言っている。

実用性のない学問は、とりあえず後回しにしていい、それよりも一生懸命やるべきなのは普段の生活に役立つ実学である

まとめ

いかがでしたでしょうか。ここまでご覧くださりありがとうございます。みなさんが読んでみて1番しっくりくるものを使っていただければと思います。中学生くらいの年代になると、自分でたくさんのことを考えたり、反抗したりと不安定な時期に差し掛かります。そんな時だからこそ、見守るバランスと適切なタイミングの介入が必要になってきます。このブログは、中学校の若手教師や、親御さんに役立つ情報を発信しています。他の記事もぜひご覧ください。

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