学級経営で5月に大切なこと【中学校】取り組み具体例有

学級経営

学級経営で5月に大切なこと【中学校】取り組み具体例有

新学年がはじまり、1ヵ月が経とうとしています。担任の先生も少しずつ生徒になじみ始めたタイミングではないでしょうか。4月は環境整備や事務的な手続き等でとても忙しく、みなさんバタつかれると思います。

そして、いよいよ5月からは担任の先生の腕の見せ所です。実は、クラスの基盤、学級の良い風土を根付かせるためには、5月が大切だと言われています。しかし、若い先生方や、初めて担任を持つ先生は

「どんな取り組みをすればいいんだろう」
「良いクラスを作りたいけど、どうしたらいいかわからない」等、
不安がある先生も多いと思います。そこで今回は、

・5月に発行すべき学級通信のネタ3選
・5月に行うべき道徳のネタ1選(Wordダウンロード可)
・どうやる?初めての席替え
・クラスが崩れる?!配慮すべきたった1つのこと

・中間テスト前のクラスの取り組み
・生徒にとってGreatなリーダーになる

という内容を、中学校教員として当時最年少で都道府県優秀教員に推薦されたことがあり、体育祭や合唱祭等学校行事では優勝率95%以上、クラスアンケート満足率100%を達成した僕が解説していきます。

【コピペ可】5月学級通信のネタ3選~学級経営で大切なこと~

生徒指導の観点から作る学級通信

5月は担任の先生として、クラスの生徒たちに少しずつ良い風土を浸透させたいものです。規則やマナーも当たり前のようにありますが、【なぜ】そうなのか。それを教えてあげることが大切だと思っています。1つ1つ深い語りができると最高です。今回紹介するのは、

【なぜ名札はつけるのか】

になります。画像の下に文字起こししてあるので、ぜひご活用ください。

どんなことにも意味がある
~名札はなんでつけるの?~

午前中、全員が着用している名札。みんなルールを守ってくれていてとても嬉しいです。ルールだから守ることは大切だけど、「なぜ名札をつけるの?」という質問に答えられるでしょうか。
じつは4、5年前までは、山王中の生徒は儀式のときだけしか名札をつけないという生徒が多かったのです。授業のときは、ほとんどの人が名札をつけていませんでした。
名札をひっくり返すのが流行りなのか、ただつけるのがめんどくさいのか。
私は、そんな光景が嫌で、「せめて全校生徒が集まる集会や朝会時にはきちんとしてほしい」
という願いから、体育館の入口で生徒会本部と共に声かけを始めました。今ではこの学校の90%以上の人が授業中も名札を付けてくれています。まだ100%ではありませんが。。。しかし、本来の名札着用の意味は、付ければいいというわけではありません。
中学校というのは、教科ごとに先生が入れ替わり、小学校の時よりも多くの先生に関わることができます。1年経てば、多くの先生が入れ替わることはよくある話です。授業中、よい意見を発表したり、与えられた課題を一生懸命まじめに取り組んでいたり、合唱を頑張っていたりするみんながいたら、「その生徒の名前を覚えたい。」普通はそう思うものなのです。そんなとき「きみさ、いつも目がキラキラして、授業中頑張っているよね」と声をかけるより、「○○君、本当によく頑張っているね」とか○○さん、今日、隣の子が教科書忘れたけど、やさしく見せてあげてくれて、どうもありがとう」と、名前を呼んで声をかけたいのです。キラキラと輝くものを、一人一人がこんなにも持っているのに、名前すら覚えてもらえないなんて、むなしく思いませんか?名札を隠すという心境は「自分が誰なのか、はっきり自己主張できない」という弱さでもあるのです。今のみんなは、もっと自分の存在に自信を持ってください。「私はここにいる」

一人一人が自信を持って存在を主張できる大人になってほしい

名札着用という単純な工程の裏には、そんな理由があるのです。堂々と名札をつけている1組のみんながGood!です!これからもずっと継続していこうね。

学級通信より

中間テストの前の学級通信

新学年になって初めてのテストも控えていると思います。2週間前くらいに発行できると良いと思います。生徒の中に「そろそろテストだ」「今年こそは頑張るぞ!」といった動機付けや意識を持たせることが大切です。

また、テストの観点での取り組みは保護者もとても喜んでくれます。今回は、林修先生の著書にもある、デスクを戦闘態勢にすること!を紹介します。

みんなは自分の机(マイデスク)がありますか? デスクってその人の性格そのものが出るものでもあります。先生が今まで見てきた「すごい人」「勉強ができる人」「仕事ができる人」たち、みんなデスクがきれいにきちんと整頓されていました。それを見てから自分も真似をし始め、今では机の整頓では誰にも負けません。みんなの机にはプリントが山積みになっていませんか? テスト勉強や学習が思うように進まない人たち、お菓子のゴミや食べかけのもの、コップ、漫画、小説、必要のないプリント、デスクに置いてありませんか?? そんな人たちは、まずデスクを徹底的にきれいに整頓してください。これから話すことはデスクが整頓されていることが前提です。

きれいになったデスクを今度は「戦闘態勢」にします! まずは付せんを用意してください。机の端の上から順に「緊急度×重要度」の掛け算を心の中で行い、順番に貼っていきます。例えば数学の授業で、「ここはテストに出る!」と言われたのに全然理解できていない。これはすぐに取り組み、もし一人で理解できなかったら先生に質問しなければならないため「緊急度×重要度」はかなり高いと言えます。単語や漢字などについては必ず覚えるべきで、重要度は高いですが、急いで頭に詰め込む必要はなく、計画的に配分して覚えていけばいいのです。何枚も付せんを思いつく限り貼っておき、計画的に一つ一つ丁寧に解消していく。こうすることで、「今日なんの勉強しようかなーどうしようかなーとりあえず数学のワークでも進めておこう~」なんていうような効率の悪い勉強をしなくなり、自分のやるべき課題が明確になると共に、翌日からの勉強の配分、順番を間違えなくなります。勉強とは、つい得意な教科に偏りがちなもの。しかし、得点を伸ばすためには苦手科目の克服が絶対に必要になります。今、この時期で苦手科目の勉強法や理解度を深めておけばそれは受験に繋がってきます。「まだ先のことだからー」なんて言っていると、一瞬で時間が過ぎていきます。今すぐにデスクを戦闘態勢にすることをおすすめします。気合いが入りやすくなるはず。環境は人を変えることを思い出してください。

学級通信より

道徳の授業の感想を載せる学級通信

感想を書いて終わり、ではなく、クラス全体で振り返り、分かち合うことが大切です。感想を打ち込むのは手間ですが、この1手間の積み重ねがクラスの力の差になっていきます。できれば道徳の授業終了後あまり間を空けないことが望ましいです。

【Word】5月にすべき道徳のネタ【学級経営で大切なこと】

今回紹介するのはケツメイシ(J‐POP)の【仲間】という曲を用いた道徳の授業です。生徒たちの仲間に対する価値の変化も見られ、J‐POPを用いるという斬新な授業のため、生徒も楽しんで取り組んでくれます。【内容項目2-(3)】

ねらい

互いに励ましたり、高め合ったりするような仲間の大切さを感じ取る。

下に行くと指導案をWordでダウンロードできます。


↓導入


↓展開


↓まとめ


↓ワークシート


↓歌詞

別に怒ってなんかないよ ただお前のあきらめた姿がキライなだけ
下を向いてないで次はガンバレよ 結果より気持ちだろ オレらに必要なのは
頭抱えないで  まわりを見てごらん 君が素直に頼れば 支えるから
つらいときはそっと後ろを見てごらん オレ達が うなずいてあげるから
楽しい時だけが仲間じゃないだろ オレ達は 共に悔しがり
共に励まし合い 生きてゆく笑顔の日々を

お前の小さい背中見たかね お前だからこそ 余計な事言いたかね
欲しいのはなぐさめ? 傷のなめ合い? 安っぽいそんな事 俺にはやれない
とかくとやかく 言いたくはないくだらない言い訳も聞きたくない 
オレも悔しい 分かってんだろ? 皆見えないとこで戦ってんだ
どうしようもない時は俺らだろう 共に越えただろう? やってこれただろう?
周り見ろいるぜ 多くの仲間 言葉はいらね 気持ち届くのだから
泣きたきゃ泣けよ 涙も汗もいつかは報われる 信じて行けよ 
いつまでたっても変わらない お前はオレたちの仲間
悲しい時だけに泣くんじゃないだろ オレ達は 共に立ち上がり 
共に喜び合い 支えあう涙の日々よ

お前はそこで諦めるのか? ここまで来たのにやめるのか?
悔しかったらそっから立ち上がれ 越えてきただろ お前のやり方で
忘れるな 俺ら友であり ライバル 薄っぺらな関係ではないはず
だが本当きつけりゃ支えとなる 俺だけじゃない仲間 体を張る
つらい時こそのオレらで 互いに支え合って これまで 
ここからでもお前は見えてるから 本気のお前も知ってるから 
お前 笑う日 俺らも笑おう 泣く日あるならば共に語ろう 
そうしてここまでやってきたから 誰何言おうが 俺たちは仲間

ただ前を向いて走り続けた お前の名前を叫び続けるよりも
前も見えなくなった時のお前の側で 共に笑ってあげるよ 
楽しい時だけが仲間じゃないだろ オレ達は
共に悔しがり 共に励まし合い 生きてゆく笑顔の日々を 
悲しい時だけに泣くんじゃないだろ オレ達は
共に立ち上がり 共に喜び合い 支え合う涙の日々よ
別に怒ってなんかないよ ただお前のあきらめた姿がキライなだけ
下を向いてないで次はガンバレよ 結果より気持ちだろ オレらに必要なのは

ケツメイシ/仲間 教育活動のため使用


↓指導案(Wordファイル)

どうやる?初めての席替え【学級経営で大切なこと】

生徒にとって席替えは、学校生活の中で最も関心が高い取り組みです。そのことを肝に銘じ、席替えは慎重にしなければなりません。

もしみなさんの学年が【くじ引き】で統一ならそれは仕方ありません。他のサイトで席替えの方法をたくさん紹介している記事もありますが、僕のおすすめは、

班長が班のメンバーを決める席替えの方法

です。今、どこの中学校でも主流になっている決め方ですが、やはり、これが1番良いです。

クラスの中から投票で6名の班長を決め、その班長と先生で残りの生徒の席を決めていく方法です。どんな席替えの方法にもメリットデメリットがありますが、大切なことは、そのデメリットを把握し、そうならないように対策をすることです。

メリット
・班長の責任感が生まれる
・学力差がなくなり均等に分けられる
・学力が低い子などが、班に迷惑をかけないよう頑張る
・グループでの絆が深まりやすい(学力が低い子や団体になじめない子なども含まれるため)
・班というグループ意識で強まり他の班と切磋琢磨し、クラス全体の学力向上にも繋がる
1番のメリットは子供達と先生との対話で決めるという点ではないでしょうか?
先生が気がつきにくい些細なことも学生の意見も聞けるメリットがあります。

デメリット
・公平性が疑われる
・班長への重圧が大きい(何かあった時班長の責任に?)
・不満な生徒が班長に文句を言う可能性がある。

これらのデメリットがあるので、班長に一任せず、担任の先生が必ず一緒に見てあげてください。教師のすべきことは、

担任の先生がすべきこと
・まずは班長に第一案を考えさせ、基本形ができた後に先生と共に検討し、変更していくことを班長に伝える。
・「自分の感情を入れないこと」と班長に伝える。
・口を出したくてもまずは見守る。
・基本形ができたら、各班長にその席順にした理由を話してもらう。
・班長に責任や文句が行かないよう、クラスの前で「最終決定は先生がしたから何か問題や困ったことがあったらすぐに先生に言いに来て」と伝える。

学級経営がうまい先生は、生徒の生の声を良く聞いています。
例えば、先生の視点で言えば、○○と△△は離した方が良い。前の方が良い。等、配慮すべきことが多いですよね。しかし、必ず頭に入れておいていただきたいことは、席替えによって

  • 生徒や保護者から不満や苦情が来ることもある
  • 不登校やいじめに発展することもある
  • 過去に殺傷事件が起きたこともある

ということです。その背景は、複雑な人間関係のもつれによるものでしょう。教師は、先生よりも生徒の方が詳しい、【生徒の世界】があることを知るべきです。席替えで大切なことは、生徒の知恵や意見を反映させて座席を決めた方が、不平不満は圧倒的に減るということです。

やはり班長といえどまだ中学生。どうしても自分の良いように席替えをしていきたい欲が出てきます。好きな人、仲の良い友達、明るい人等…。これは僕個人の考えですが、それで良いと思っています。みんなが納得した形なら、多少優しい目で見守ってあげています。僕は、学級経営において【班長】に多くの役割を与えています。それだけクラスに貢献してくれるからこそ、班長の特権でもあると捉えています。

班長が【明日も学校行くの楽しみ!】そうイキイキとしてくれることは、学級経営においてとても大切なことだと思っています。

5月にクラスが崩れる?!学級経営で配慮すべきたった1つの大切なこと

早速結論ですが、5月は特に、

えこひいきと不公平に気を付ける

これを心掛けてほしいと思います。ちょうど5月は先生も生徒に慣れてきたタイミング。若い先生は特に共通の趣味を持った生徒や話しやすい生徒とは親しくなっていきます。

しかし、生徒は「えこひいき」や「不公平」をとても嫌います。教師に全くそのつもりはなくても、生徒はそう受け取ることがあるのです。これは、クラスの荒れる原因にもなります。厄介なのは教師本人には全くそのつもりがない場合がほとんどであり、勝手に生徒間に不公平感が蔓延してしまうのです。そんな時、

「○○先生、みんなから嫌われてるよ。」

なんて心無いことを言われたりします。

例えば、「異服(許可されていない服装)は認めない」などという校則があり、これは実際に日本中で今も先生たちは格闘しています。ところが、この校則は生徒が全員従っている時は、まだ成り立り指導ですが、1人の生徒がこの指導に従わなかっただけで、生徒間(特におとなしい真面目な生徒)には不公平感の渦が湧きます。

おとなしく従う生徒には守らせ、荒れた生徒にはその異装を見送る以外には方法がないため、指導に2つ目のの基準が生まれたのです。後になってから、基準を変更したり、生徒によって基準が変わるようでは、教師への不信が広がります。したがって、学級に規律を導入する時には、守れない生徒への援助をどうするか、周囲の生徒にはどんな協力を得るか、などをあらかじめ想定しておきましょう。

特に注意すべきことは、例えば、
普段、私語が多く好感の持てない生徒の80点の答案用紙を返す時と、
真面目に取り組んでいた生徒の80点の答案用紙を返す時に、
教師も人間なのでつい表情に差が出てしまいます。

その他にも生徒は、

男女(男性の先生は女好き、女性の先生は男好き)、イケメン、かわいい、特定の生徒(荒れている生徒)に対してのみなさんの言動や行動を良く見ています。

全くそのつもりがないところで言われてしまうからこそ、みなさんが意識を高く持つことが大切です。意識一つで改善可能ですので、ぜひ頭の片隅に入れていただければと思います。

学級経営におけるテスト前の取り組み

新学年になって初めてのテストがやって来ます。昨年度より更に「頑張っていこう!」と生徒も意気込んでいます。も控えていると思います。2週間前くらいに発行できると良いと思います。生徒にとってテスト2週間前は苦痛の期間と言っても過言ではありません。

そんな時、「テストは個人の問題だから…。」と生徒任せにはせずに、何かアイデアを出して生徒の学力向上のサポートをしていきたいものです。学級経営から、テストの観点での取り組みを行うと、保護者もとても喜んでくれます。私は以下のような学級通信を発行していました。

この通信を出すことによるメリットは以下の通りです。

メリット
・少し地味な生徒にスポットが当たる
・スポットが当たった生徒に対し、勉強を教えてもらおうとする動きが自然に発生する
・自然に学び合いが怒る
・高得点を取るためのルーティンがわかる
・クラス全員のテストにたいする基準値が上がる

みなさんも何か一手間かけて、生徒のサポートをしてみるとたくさんのアイディアが出てくると思います!

生徒にとってGreatなリーダーになる【学級経営で大切なこと】

リーダーの定義:やってみせる

担任の先生はボスではなくリーダーです。生徒から見て「この人に着いて行けば確実だ」、「この人かっこいい」、「こんな大人になりたい」と思わせるような行動をする努力をするべきだと思っています。大人がかっこ悪いから子どもがぐれる。これに尽きます。時間を守れと言うわりに自分は授業に遅れてくる先生、掃除をしろというのに自分はずっと職員室にいる先生。言ってることとやってることが違う先生、本当にかっこ悪いです。

5月は事務的な作業が落ち着き、要約生徒もクラスになれてきたタイミング。みなさんがGreatなリーダーになってどんどんクラスを良くしていってください。以下の画像で、ボスとリーダーの違いを明確にしておきましょう。

トヨタ春交渉2020

私の恩師はS先生と言って、文部科学省優秀教員でした。そのS先生からの教えは、
ボスになるな」というものでした。何度も言われた言葉です。

「担任の先生として、【ボス】になってはいけない。【リーダー】になれ。」と。

S先生の教えでもある以下の言葉は僕がそれ以降、学級経営をする時に必ず意識していたことです。

クラスは台車引きと似ている。まず1学期は台車に子どもを乗せて教師が一生懸命引っ張りまる。すると2学期になると何人かが台車から降りて教師と一緒に台車を引っ張ってくれる。3学期になれば、教師を台車に乗せて生徒が引っ張ってくれるようになる。学級経営は、そうやって完成していく。教育現場には生徒に対して【ボス】のような先生が圧倒的に多い。おまえはそうなってほしくない。

文部科学省優秀教員、S先生の言葉

教師である以上、みなさんにはボスではなくリーダーであってほしいと思います。生徒から見て「この人に着いて行けば確実だ」、「この人かっこいい」、「こんな大人になりたい」と思わせるような行動ができる大人ってめちゃくちゃかっこいいですよね。

キングダムより/リーダーシップとは

学級経営で5月に大切なこと【中学校】まとめ

生徒が先生をよく見ています。特に5月はクラスの今後を左右するといって良いほど大切な月です。生徒達が「明日も学校に行くのが楽しみ!」そんな素敵なクラスになるといいですね。みなさんの、何かお役に立てれば幸いです。それでは、素敵な学校生活をお送りください☆

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