【取組事例】中学校学級経営の心得 挨拶ができるクラスを作る

学級経営

【取組事例】中学校学級経営の心得 挨拶ができるクラスを作る

本当に学級経営がしっかりされているクラスは、礼儀正しさ、挨拶の仕方、授業態度、挙手発言の多さ等、担任以外のところでも差が出てきます。担任をする中で、「良いクラスを作りたい」と思うのは当然ですよね。「でもどうやって指導したらいいのか…。」そんな悩みを抱き、日々悪戦苦闘しながら学級経営をしている先生もいると思います。特に、授業中などは教科担当の力が試される時間ですが、【挨拶】に関してはみなさんの学級経営が大きく影響してきます。社会に出る人材を育成する教師としては、ハキハキと大きな声で挨拶ができるようになってほしいですよね。そこで今回は、

挨拶ができるクラスの作り方(具体的な指導方法)

について、中学校教員として【学級経営】の分野で優秀教員に推薦された僕が解説していきます。

生徒指導で最も大切なこと

まず、【挨拶ができるようになる】というのは、生徒指導の観点も入っています。まず、みなさんに生徒指導で最も大切にしてもらいたいことは

【なぜ】それが大切なのかを語れるようになること

例えば
「スカートを短くするな!」
「時間はちゃんと守れ!」
「ケータイは持ってくるな!」
「中学生になってので勉強を頑張りましょう!」
「人のことを殴ってはいけない!」
「体育祭の練習はみんなで団結して頑張りましょう!」
「挨拶は大きい声でしましょう!」
等々、良く聞かれる文言ですよね。結論から言って、この指導では浅いのです。
なぜスカートを短くしてはいけないのですか?
なぜケータイは持ってきてはいけないのですか?
なぜ勉強を頑張らないといけないんですか?
この【なぜ】を語れるか語れないかで、学級経営には圧倒的な差ができるのです。

みなさんが中学生の頃、頻繁に怒鳴る先生はいましたか?いわゆる生徒指導担当の先生は怖い先生が多いのも事実ですよね。僕はその半分以上の先生が【名ばかりの生徒指導担当】だと思っています。頭ごなしに怒鳴りつけ、𠮟責し、生徒を圧倒してその場を終えます。僕はそれではあまり意味がないと思っています。

その生徒に対し、なぜ怒られたのか、なぜいけないことなのか、それを伝えてほしい。その生徒自身が腑に落ちるような理由がなければ、怖い先生がいないところでまたその生徒は同じ過ちを繰り返します。これを僕は【深堀り】がない生徒指導と呼んでいます。みなさんは社会人ですから、管理職からある程度理不尽なことがあっても少しは我慢ができるかもしれません(笑)しかし、みなさんの相手は中学生なのです。平面的で【深堀り】がない生徒指導を一方的にされて、煮え切らない思いが残るに決まっていると思いませんか?

逆に「なぜ」なのか、という【深堀り】ができる先生は、理にかなっているため、生徒からの信頼も厚いことが多いです。更に言えば【どれだけ質が高い深堀りができるか】、ここに生徒指導で力のある先生や、学級経営がうまい先生とそうでない人に大きな差があるのです。

しかし、みなさんは「え、そんなに1個1個答えられない…。」という方がほとんどだと思います。僕もそうでした。
今全てのことを深堀りできなくて全く問題ありません!
コツは、学級通信などを使って、1つ1つ潰していくことです!

今回は、その挨拶についてを紹介します。
挨拶ができるクラスを作るのも、この【挨拶】に関して、【なぜ】なのかという深堀りがとても大切になってくるのです。

【挨拶】について学級経営での語り例

以下は、僕が学級通信で発行し、HRで読み聞かせをした内容になります。

何よりも本物にこだわれ!
1組のみんなには、何事も「本物」を作り上げてほしいと思っています。体育祭のときは本物の団結力を、合唱のときは、本物の合唱を作り上げ、他人を感動させるだけでなく、自分たちも「やってきて良かった」、「すごい合唱ができた」、「感動した」という思いを体験してほしいです。「感動」とは「感じて動く」ということ。この「動く」には膨大なエネルギーが必要になります。本物を作るためには何かを犠牲にしたり、我慢したり、努力をしたりしてエネルギーを注ぎ続けなければなりません。そしてその基盤となるものが日常の積み重ねです。行事もそう。合唱祭前に急に頑張り始めたって本物には届きません。普段の授業、生活から真面目に本気で取り組んできたチームがNo.1であり、本物に近づけるのです。スポーツだって勉強だってみんなそうです。
ここにきて1組のみんなは成長しています。まずみんなに極めてもらいたいこと。それは「挨拶」です。
本物の挨拶にこだわる
いつも授業の挨拶をきちんとできているかをみんなに呼びかけています。椅子を引かない人、声を出さない人、お辞儀をしない人、まだまだいますね。実際みんなの中で、廊下ですれ違う人に対して自分から挨拶ができない人だっています。この先も、先生はみんなに呼びかけ続けていくと思います。しかし、そこには大きな落とし穴があることにこの数年で気づきました。それは
「始めはみんなちゃんとやってくれるのに、段々できなくなってくる」ということ。
「先生が見ていないとやらない」「恥ずかしい」「めんどくさい」
ということになってきます。
もっといえば、自分もふくめ、どんな人でも幼稚園や小学校の頃は、本当に元気な挨拶をしていたはずです。しかし中学、高校になるにつれて段々挨拶ができなくなる人が多いということ。普通、成長するにつれて何でも段々うまくなるものです。しかし、挨拶に関してはどんどんできなくなっていきます。不思議ですよね。それを打破するために自分なりにたどり着いた答えは、
みんなに「挨拶の心」を知ってもらうこと。
なぜ、あいさつって大事なの?
その意味を理解してもらうことです。

おそらく答えられる人って大人でも少ないと思います。この学級通信は、みんなの将来への道しるべになってほしいという願いもあって発行しています。少しでもみんなの将来のためになってほしいので、次の通信で、あいさつの意味や大切さについて書いていきます。その意味を理解したうえで、中学校で「本物の挨拶」を身に付けてください。  とは言っても、このクラスで称賛に値する人もたくさんいます。代表して言うと、高橋君等が挙がると思います。「お願いします」「ありがとうございました」、一つ一つの礼儀を大切にしています。素晴らしいです。彼に続いて最近では、今以上に良い挨拶をしてくれる人がどんどん増えてきています。色々なことをすぐに吸収できるみんなは本当に素敵です。教師として、みんなが成長していく姿を見られることは素直に嬉しい。中学校の主役はみんな自身です。私は、これからも1組を、この学年を、もっと良くするためにはどうすればいいかということを、考え、サポートしていきたいと思います。

中学2年生学級通信より

そして翌日の通信ではこう続きます。

挨拶の心
挨拶とはなにか。それは・・・、
相手の存在を認め、相手に対して心を開くこと
挨拶のできない組織は、「その組織の中の一人ひとりが、同じ組織のみんなに心を開いていない。」ということです。挨拶のできる組織なら、誰に対しても心を開いています。
心を開いて人の話を聞くことができれば、
「あ、なるほどそうか!それなら、ちゃんとやってみよう!」
と思うことができます。心を閉じて人の話を聞いても
「そんなこと言ったって、うまくいかないでしょ。」
と思う人は、なかなか成長できません。それに、人に対して心を開けない人は、人からも心を開いてもらえません。逆に、いつも気持ちの良い挨拶をして、心を開ける人は、他の人も心を開いてくれます。先生だって同じです。心を開いてくれる生徒に対しては、「何とかしてやりたい」という気持ちになります。心を開いてくれない生徒に対しては「これ以上言っても無駄なのかも」と思ってしまうはずです。とても悲しいことです。
自分が心を開かなければ、周りの人も心を開いてくれません
だから、大切なのは「挨拶は自分からする」ということです。
周りの人が、心を開いてくれなかったら、自分が心を開いていないということ
周りの人が親切にしてくれなかったら、
それは自分が周りの人に親切にしていないということ。
周りの人が、挨拶をしてくれなかったら、
自分が周りに挨拶をしていないというだけのこと。

「自分から」というのは勇気が必要です。しかし、その勇気がとっても大切です。
そして、もう1つ大切なこと、それは「相手の目を見る」ということ。「挨拶は、その人に対して心を開くこと。」その人の目を見ずして、どうしてその人に心が開けるのでしょうか。
挨拶とは「人が人として生きていくうえで、最も大切な流儀」なのです。挨拶の心を知り、みんなが「本物の挨拶」ができる大人になっていってほしいと思います。

中学校学級通信

色がごちゃごちゃしていてすみません…。ですが、やはり【挨拶】を始め、生徒指導をするときの、深堀りの質はとても大切なのです。みなさんがこの【語り】を真似しろと言っているわけではありません。みなさんがオリジナルで考えてもいいし、ネットで調べてもいいし、先輩に聞いてもいいです。結論、語りの質を上げましょう。【なぜ】なのか。質が高い深堀りをしてください。中学校年代の子供は自分に腑に落ちれば、それこそとんでもない力を発揮してくれます。

もちろん、僕の語りが正解というわけではありませんし、1回話しただけでできるようになるわかけでもないです。しかし、このレベルの深堀りを毎日聞いている生徒は、僕からしたら「そりゃ当たり前に伸びるわな」って感じなのです。語りの質で他の教員との大きな差ができますから、必然的に学級のレベルも差が開いていきます。あまりにもぶっちぎりのクラスを作ることに賛否両論あるとは思いますが、若手のみなさん、思う存分やってください。僕は責任は取れませんが、それが若手の特権だとも思っています。

本ブログではこの記事の他にも若手の先生たちのお役立ち情報を多く発信しています。ぜひ合わせてご覧ください。

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