【プロが語る】4月に学級経営で大切なこと~取り組み具体例有~

学級経営

【プロが語る】4月に学級経営で大切なこと~取り組み具体例有~

そろそろ新学期、担任の先生としてはクラスのスタートダッシュを切りたいところ。若い先生の中には初めて担任を持つ先生や、「どんな取り組みをすればいいんだろう」、「良いクラスを作りたいけど、自分で大丈夫かな」等、不安がある先生方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、

・月別場面別で先生方が意識した方がいいこと
・黄金の3日間の過ごし方

・学級目標の決め方
・始業式当日の黒板紹介
・学級通信の例文
・初回授業ガイダンスの事例【構成の仕方】
・4月の授業で大切にすること【取り組み例】

これらの内容になっております。この記事を書いている僕は、中学校教員として当時最年少で都道府県優秀教員に推薦されたことがあり、体育祭や合唱祭等学校行事では優勝率90%以上、クラスアンケート満足率100%を出した実績があります。現在は10以上の大学で、組織開発やチームビルディングの研修を担当している僕が解説します。ぜひご覧ください。

始業式・入学式の取り組み~学級開き~

いよいよ始業式(入学式)ですね!生徒はもちろん、先生方もドキドキワクワクだとおもいます。誰と同じクラスなのかな…。どんな先生なのかな…。様々な思いがあるでしょう。まずここで大切なことは、

1.このクラス楽しそう!と生徒に思ってもらう
2.担任の先生のクラスへの想い方針を語る
3.最初がとても肝心だと理解する

です。まず1つ目、みなさんは学級経営をするうえで、生徒の「満足度を上げる」ことを意識していきましょう。ビジネスではいかに「顧客満足度」を上げるかはとても大切です。生徒は「客」ではありませんが、「どうしたら喜んでもらえるかな?」「どうしたら笑顔になるかな?」「良いクラスだなと思ってもらえるかな?」と考え、行動することは学級経営でもとても大切になります。
1つ目、私のしていた工夫(当たり前かもしれませんが)は、毎年必ず黒板で生徒を迎えました。以下、参考例です。


私は中学校の先生でしたので、少し文章レベルは高めですが…次に2つ目ですが、担任の先生のクラスへの想い・方針についてですが、これは後のクラスの団結力や方向性を定めていくうえでとても大切になります。私の例でいうと、毎年「一生懸命頑張る人が損をしない」という方針を話しています。(この言葉については「行事で必ず優勝する!」ための究極の学級経営法でも解説しています。)なぜこの言葉を選んでいるかというと、大人の世界では正直言って「頑張る人が損をしない」ことはなかなか難しいかもしれないなと思いました。しかし、どんな世界でも、真面目に一生懸命ひたむきに取り組んでいれば必ずいつか報われる。私はそう信じています。この言葉がクラスに浸透すれば「合唱祭を頑張りたい」「体育祭で優勝したい」「練習を一生懸命頑張っている」「掃除を一生懸命やっている」「話し合いを一生懸命まとめようとしている」そんな人たちが報われるクラスになっていくと思ったのです。

3つ目については「最初が肝心」といのは、教育だけの話だけではありませんが、特にクラスでも同じことが言えます。これは2番目とも繋がりますが、
「一生懸命頑張る人が損をしない」の他に、黒板の内容と学級通信をリンクさせて以下のような話もしています。

初日は事務作業や配布物で終わりがちですが、最後のホームルームの時間でも構いませんので、きちんと血の通った話、想いのこもった話をしてあげてください。生徒たちは本当に真面目に聞いてくれます。

また、生徒の【今の気持ち】を書き残しておくことも大切です。初日、学級開きの際に、以下のような用紙を配り、生徒に記入させましょう。

黄金の三日間

黄金の三日間については、
「黄金の3日間」で担任が絶対にすべきこと3選!こちらをご参考ください。

学級目標を決める

学級目標の決め方・例に関しては以下をご覧ください。

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4月中旬の取り組み

気づいたことや伝えたいことは「言葉」にしてどんどん伝えて浴びせまくりましょう!例えば以下の言葉は、1学期が始まって1週間が経った頃の言葉です。(学級通信抜粋)

必要とされる人材へ
中学校は「社会に出て必要なことを学ぶ」場所です。ですが、担任として、1組のみんなの中から、これから先「社会に通用する」ではなく、「必要とされる」ような人財が何人も出てきてほしいと思っています。「必要とされる」って一体どんなことだろうと考えた時、例えば将来みんなが「働く」ことを考えると、周りの人たちから
「この人と一緒に働きたい!」と思ってもらうことだと思いました。では、一体どんな人なら「一緒に働きたい!」って思ってもらえるのか。例えば「面白い人」、「礼儀正しい人」、「やる気がある人」色々ありますね。人それぞれだと思いますが、私の場合、こんな人と一番働きたい!と思うのが、「自分が気付かないことに気付ける人」です。「普通じゃ気付けないものの見方」を持っている人や、「細かなことに気付く目線」を持っている人と一緒に働きたいな~って強く思います。以前本で読んだのですが、「気付ける目」を育むために隣り合わせにあるものが「掃除」だそうです。一生懸命掃除をすることはもちろん大切です。自分の役割や決まった場所をきれいにできれば充分一人前の合格点と言えるでしょう。ですが、「気付ける目」を育むためには、普通にやっているだけでは気付かない場所、例えば、「この棚の上は見えないけど汚れてそうだな」とか、「ロッカーの中はきれいかな」とか、「画びょうがとれていないかな」とか、普通じゃ見ない場所に目を向けることが大切だそうです。そうすると、掃除以外のことでも今まで気付かなかったことに気付けるような人になっていくと…。「気付ける人」と働きたいと言いましたが、自分自身も「気付ける人」でありたいと思っています。なので、この本を読んでから私は周りの誰よりも一生懸命掃除をしています。みんなが帰った後も掃除をします。どの教室よりもきれいに。学校を出るときは、自分の机はどの机よりもきれいにしてから帰ります。掃除の成果かどうかはわかりませんが、視野が広がった実感は確かにあります。その視点でみんなを見ると、2日目にしてもうクラスの何人かは、その「目」を持っている人がいるかもしれません。昨日黒板を消してくれた人は誰だろう、マジックをきれいに整理してくれた人は誰だろう…。私の想像を超えるアイデアを出してくれたり、誰も見てない場所でも掃除や整頓をしてくれたり、本当にすごいです。自分が気付かないことに気付ける人って素晴らしいですね。 1組としての1年間は、ぜひこの「気付ける目」を持つことを意識して、生活していってほしいと思います。将来必ず役立つはずです。時間は有限です。日々みんなで成長していきましょう!

授業開始!【授業力向上に大切なこと】

さあ、いよいよ授業開始です。オリエンテーションや導入部分と、抜かりないない準備を進めておきましょう。特に、中学校の場合は教科担任制です。自分のクラス以外も担当することになり、中にはやりづらいクラスも出てきます。特にまだ授業経験の浅い先生方には、ここでのストレスがかなり大きいと思います。逆に全てのクラスでスムーズに授業を行うことができれば、流れるように楽しく教師という生活を送ることができます。私自身、2018年の全国学力学習状況調査の伸び率で【県内1位】を取ったことがあります(詳しくはプロフィール参照)が、やはり授業規律の面がとても重要だったと思っています。さて、さっそくですが、「最初が肝心!」授業力向上にも繋がる工夫や、意識すべきポイントとは、

  1. 先生が「授業の時間を守る」ことに対して、強いこだわりをアピールする
  2. 規律を明確にし、勉強する意味を伝えるガイダンスを行う
  3. 授業では机間指導を積極的に行い、多くの生徒とコミュニケーションを図ること
  4. 生徒が作り出す「間」に負けないこと
  5. 授業の最初と最後の挨拶は自分から発声すること

先生のこだわりをアピールする

まずみなさんに知ってほしいのは、生徒が先生に対して信頼を失う時はどんな時なのでしょうか…。多くが「授業の時間をオーバーしている」「理不尽に叱ってくる」「言っていることとやっていることが違う」「約束を守らない」等がほとんどです。教師という仕事は、生徒や保護者、同僚と信頼を積み重ねていかなければなりません。私は「信用残高」と表現しています。この信用残高があれば、ある程度先生が失敗しても、生徒は受け入れてくれるようになります。授業とは、この信用残高を積み重ねる最も大切な場所です。更に言えば、教師として、最優先すべきことは「授業」なのです。さて、時間を守ることについてですが、生徒には時間を守れ!というくせに自分は時間を守れない先生がとても多いです。当然、生徒からの信頼も低く、「先生には色々あるんだよ」なんて言い訳している教師は話になりません。徹底的にこだわってください。例えば、授業終了のチャイムが鳴ったにも関わらず挙手させようとする、当たり前のように解説をしている先生。こちらも話になりません。
リーダーの定義は「やってみせる」あなたのミラーリングがクラスを作っていくのです。休み時間は生徒たちの時間です。教師が授業をして良い時間ではないのです。「終わりの時間は絶対伸ばさない。そしてはじめの時間に何を差し置いても必ず先生がいること。万が一間に合わなかったとしても、終わりの時間は伸ばさない、そして生徒は始めの時間に必ず着席している」「僕も時間を守る約束をする。だからみんなも守ってほしい」そんな目に見えない契約、暗黙の了解のようなものが先生と生徒の間にあると、規律正しく授業を行うことができます。私の授業では、チャイムが鳴ってから席に座る生徒は一人もいませんでした。

初回ガイダンスの構成例

最初に規律を明確にすることはとても大切です。それだけなら誰でもやっています。「あ、この先生なんか違う!」「授業楽しそう!」といったインパクトを与えること、心に火をつけることも大切です。授業のガイダンスでは

  • 自己紹介
  • 授業の規律
  • アイスブレイク
  • 教科の良いところ、楽しいところ【魅力】
  • あなたが勉強する意味

こういった構成にできると良いと思います。私は中学校の数学教員ですが、規律にかんしては、以下の5つです。

授業規律の具体例

  • チャイムの前には必ず着席している。
  • 授業前には必ず名札を着用する。
  • たくさん手を挙げる(返事と起立・間違えることは成長すること)
  • 号令の時に机の上に教科書とノートを出しておく。
  • 大きな声で挨拶をする。

それぞれみなさんが解説できると尚良いですね。特に、名札と机の上の準備については、できていない場合、挨拶の規律の時点で挨拶には進まない(準備ができていない生徒1人のために待っている)ことを徹底していました。
しかし、規律や授業のことだけ話していては面白くないですよね…。なので私はアイスブレイクとして、(数学特有ですが…)このような簡単な頭の体操を行って盛り上がったりしていました。

アイスブレイクの例

5+5+5=550
1本線を加えて数式を成り立たせてください

10円玉が縦に4枚横に3枚並んでいます。

1枚動かして縦に4枚横に4枚にしてください。

こういったアイスブレイクで盛り上がりつつ、私は「数学の楽しさ」に繋げてレクチャーしていました。みなさんも教科ならではのアイスブレイクで生徒に楽しんでもらいましょう。ちなみに私は、教科に直接繋がらなくても、半ばレクのようなものでもいいと思っています

勉強の意味を生徒に伝える

「先生~!因数分解なんて将来使わないですよね?なんで勉強しなくちゃいけないんですか?」中学生にもなればすこーしひねくれた生徒からよく聞く言葉ですよね。しかし、私が授業を担当するクラスにこなような質問をしてくる生徒は一人もいません。それは「勉強する意味」を私が伝え、生徒が理解しているからだと思います。私は、最初の授業のガイダンスで必ずこの話をしています。

なんで勉強するの・・・?
何で勉強するの?
テストってそんなに大事なの?親は何で勉強しなさいって言うの?将来使うの?
中学生にもなれば、この疑問を抱いている人も多いと思います。
確かに勉強は、しなくても生きていける人もいます。では、なぜ勉強するのか…
それは、人生の選択肢が増えるからだと思います。
私の友人に、東大に行った人がいます。今、その友達はスポーツクラブのコーチをしています。
彼は、「なんでその仕事を選んだ?」と周りから良く言われるそうです。
確かに、東大出身なら、もっとお金を貰える仕事なんていくらでもあったはずです。
でも、その人は色々できるけど、たくさんの選択ができる中から自らコーチを選んだんです。選択肢です。
簡単に例えれば、お小遣いと同じです。お小遣い1万円貰っている人と、1000円を貰っている人。1万円あれば何でも買える。ただ、300円のものを買ってもいい。
でも、1000円しか無ければ2000円のものは買えない。
だから、「勉強してほしい」と、大人は願うのだと思います。
もっと勉強しておけば良かったと思う人はたくさんいます。
不思議なことに、こんなに勉強しなきゃ良かったと思う人は世の中にほとんどいないのです。
きっと、多くの選択肢の中から最高の選択ができたからではないでしょうか。先生は、みんなの人生の選択肢を広げるために、勉強を教えたい。みんなが進路を迫られるときが来た時も、みんなが後悔しないベストな選択を一緒に考えていきたいと思っています。
これから1年間よろしくね!

授業初回ガイダンスより【なぜ勉強するの?】
勉強する意味について

いかがでしょうか。僕もこの動画に共感し、そこから自分の言葉のように使わせてもらっています。みなさんもぜひ取り入れてみてください。以下もあわせてご参考までにご覧ください。

初回授業以降の取り組み

初回のガイダンスが終わり、いよいよ授業開始!ここから【教師は授業で勝負する】の醍醐味ですね。各教科、指導内容は異なりますが、共通して意識すべきこともあります。引き続きご覧ください。

机間指導について

生徒が問題に取り組んでいる時は積極的に机間指導をしましょう。授業で個人と関わる貴重な時間【机間指導】。ここでもちょっとしたコツがあるので実践してみてください。机間指導をする先生の中には【生徒がちゃんと課題に取り組んでいるかどうか。抑止力的な意味を込めて巡回する】人も多くいます。しかし、みなさんはぜひ【理解できず、困っている生徒はいないかな…】【個々のコミュニケーション】のために巡回してほしいと思います。机間指導ではできるだけポジティブな働きかけをしていきましょう。【あともう少しだ!がんばれ!】【教えてあげてるのナイス!】【その調子!】【できるじゃん!!】なんでもいいです。生徒一人ひとりの取り組みをあなたの目で見て、褒めてあげてください。

生徒が作り出す「間」に負けないこと

机間指導でポジティブな声掛けをするとはいえ、学力が低く、授業の課題に苦戦する生徒もいます。たとえばそこで、「今何がわからないの?」「どこで困ってる?」等、みなさんから問うことがあると思います。大切なのはその後!その生徒は当然うまく答えられません。みなさんはその生徒に理解してほしいからこそヒントを与えるわけなのですが、ちょっと待ってください!みなさんが質問したとき、おそらく生徒は首をかしげたり、無言になったりします。しかしそれは、ギブアップのサインではありません!その生徒はスピードは遅いかもしれませんが、あなたの問いに対して一生懸命考えて答えようとしている場合が多いのです。ほとんどの先生は、その「間」ができることに居心地の悪さがあるため、間髪入れずに話しはじめてしまいます。その先生にとっての居心地の悪い「間」は、生徒にとっては考えている時間、成長している時間なのです。もう少し待ってあげてください。みなさんはその「間」を制し、まずはその困っている生徒にフルで考えさせ、成長の場を提供してあげましょう。
特にわかりやすいのは【道徳】の時間です。先生方のほとんどが道徳の授業が苦手と答えます。例えば、みなさんが生徒に問いかけ、発問をしたのに対して生徒がしーーーーーーーん…そんなことがこれから先おこることでしょう。しかし、みなさんからしたら気まずい時間、テンパる時間、すぐにフォローの言葉を述べたい気持ちもわかります。しかし、意外と生徒は、頭で考えています。道徳の時間でも同様、生徒が作り出すこの「間」に、先生方は打ち勝たなければいけないのです。

中学校の学級経営【4月編】まとめ

4月は、生徒が先生を観察する期間でもあり、クラスの基礎を築く期間でもあります。ここのスタートで1年の方向性が決まるといっても過言ではありません。生徒達が「明日も学校に行くのが楽しみ!」そんな素敵なクラスになるといいですね。この記事にある内容をぜひ実践してみてください。また参考までに【生徒指導】の観点でまとめたものもリンクとして貼っておきます。こちらもあわせてご覧ください。それでは、素敵な学校生活をお送りください☆

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