【必見】教師の鏡 イエローハットの企業成功に学ぶ掃除道

学級経営

【必見】教師の鏡 イエローハットの企業成功に学ぶ掃除道

教師として担任をしている人なら、誰もが【良いクラスを作りたい】と思うものですよね。しかし中々上手くいかないのも現状…。そんな皆さんに、いや、全教員に1度は読んでほしい記事を紹介します。この記事では

・イエローハット 起業成功の要因
・鍵山社長の取り組み
・掃除が築いた強力な信頼関係

について、元中学校教員であり、現在複数の大学で組織開発やチームビルディングをさせていただいている僕がまとめました。ぜひご覧ください。

【イエローハット】企業成功の要因~教師が見習うべき組織~

鍵山秀三郎さんという人が書いた、「掃除道」という本があります。私はこの本を読んでから、掃除に対する考え方がだいぶ変わりました。この記事では、この本の中から、いくつかお話をしたいと思います。さてみなさん、鍵山秀三郎さんってご存知ですか?この方は「株式会社イエローハット」の社長さんです。イエローハットを創った方です。イエローハットとは、カー用品を販売している会社です。鍵山さんはとてつもなくすごい方で、一代にして、年商800億円以上、店舗数も全国に400以上という、大会社を創った人です。そして、この方に「イエローハットの成功の要因は何ですか?」と聞くと、迷うことなく「掃除です」と答えます。私は一番最初にこのことを開いたときに、「掃除はもちろん大事だけれど、掃除でイエローハットはできないだろう。掃除でイエローハットみたいな大きな会社ができるなら、私にだって、イエローハットが作れちゃうんじゃないか?」なんて思っていました。他にも成功のヒミツがあるだろうと思っていました。しかし、この本を読んで、私の考えは大きく変わりました。この本を読んで、イエローハットは、まさしく、掃除の力であれだけ大きくなったということが、よくわかりました。そして、「掃除でいい会社ができる!掃除で世の中が変わる!」って本気で思いました。

社員の心を穏やかにしたい一心で40年~担任としてあるべき姿とは~

「掃除道」にこんなことが書いてあります。会社を創業したのは、昭和36年10月10日、鍵山さんが28歳の時です。最初は、「ローヤル」という社名で、車用品の御売業を始めました。今でこそイエローハットのようなカー用品販売店は、男性でも女性でも、普通に買い物に行くようなお店です。ところが、当時・…昭和36年頃は車用品を売る店とか業界というのは、世間では今で言う暴走族とか、そういう人たちがお店にたむろするようなそんなイメージだったそうです。なので、「車用品を扱っている」と言うだけで、「ああ、暴走族が好きそうなものを売っている会社ね」と見られたそうです。なので、せめて名前だけでも上品にしたかったから社名を「ローヤル」としたそうです。
会社は小さくても、
どこまでも王道(=:royal road)を行くようにしたかった

と書いてあります。(注 王道:仁徳(思いやりの心)に基づいて国を治めること)
時代はちようど、日本が高度経済に差し掛かった頃で、会社はどこも人手不足。ローャルにもなかなか入社してくれる人がいなかったそうです。珍しく入社希望者が来たかと思うと、履歴書に書ききれないくらいの転歴があるような人ばかりだったそうです。…転職歴がある人っていうのは、言い方を変えれば、長続きしない人という認識です。そんな人しか来てくれなかったと。でも人が足りないから、そんな人でも採用せざるを得ない。しかも世間からは「暴走族用品を扱っている会社」と思われているのですから、そもそも営業に行ってもなかなか相手にしてもらえないということです。いくら営業に行っても買ってもらえないということが続くと、営業マンは会社に帰ってきて、バーン!と入口のドアを閉めて、自分のデスクに足を上げて、腕組みしながら「もうやってらんないよ!誰も相手にしてくれないよ!」なんてわめいているような、会社の中はそんな雰囲気だったらしいです。そして鍵山さんはこう言います。

私は、この社員の心を何とか癒してあげたい、穏やかにしてあげたい、
そして、穏やかな性格の社員だけでも
きちんと売上と利益を上げられる、
そんな会社にしたいと心に強く願うようになりました


この一文を見て、みなさんはどう思いますか。もし私が鍵山さんの立場だったら、社員を責めてしまっていたと思います。
ウチの会社にも、もっと優秀な社員さえ集まってくれれはもっと売上が上がるはずなのにこんなやる気のない、態度の悪い社員しか来ないなんて」と。
しかし、鍵山さんは違いました。そんな社員でも、なんとかその荒れた心を穏やかにしてあげたいんだ…と、そう思えるんですね。鍵山さんの言葉は続きます。

言葉で説得したり、文章で伝える能力を持ち合わせていなかった私は、掃除を始めるようになりました。出社してくる社員が汚れやゴミを目にしなくてもいいように、職場環境をきれいにしておきたかったのです。きれいにしておけば、社員の心の荒みもなくなるはずだと考えたからです。きれいに帰除しておくことが唯一、私が社員にしてあげられる感謝の気持ちではないかと信じていたからです。

こんな、やる気のない社員でも、鍵山さんは感謝の気持ちをあらわして、自分ができることはこれくらいだと、そんな思いで掃除をしました。ここが、すごいなあと思います。よく、
「うちの会社の利益がなかなか上がらない。もっと儲けるためには、どうしたらいいんだろうか?」
なんて考えている社長が、
「社長自らがトイレ掃除を始めて、会社の業績が良くなった」
という話を聞いて、
「それじゃあ俺も、トイレ掃除をやって、もっともっと儲けるぞ、社員に、もっともっと稼いでもらうぞ」と思いながら掃除を始めるとどうなるでしょう。これは「在り方」の話になりますが。多分、そんな社長は、わざと社員の目の前で掃除をするでしょう。
「社長の俺が一生懸命トイレ掃除しているんだから、みんなも掃除しろよ!みんなもっと働けよ!」
というオーラが出るでしょう。そんなオーラを感じた社員はどう思うんでしょう。
「なんか、社長、当て付けがましいなあ。俺らに、もっと仕事やれって言ってるんだよ」
なんて、そんな風に見えてしまうと思います。なので、社長に「儲けたい」という下心があって掃除をしても普通はうまくいかないと思っています。「儲けたい」とか言うのは結局は「自分のため」。
「自分のため」で人を動かそうと思ったって人は動かないと思います。よくこの本を読んで、「本の通りに掃除をしたのにうまくいかない」なんて人もいますが、それは結局最初の目的が違うからでしょう。
「あり方」が違うのに「やり方」だけ真似をしでもうまくいかない。とうことです。鍵山さんが掃除をはじめた理由は、「社員の心を穏やかにしたい、社員に感謝の気持ちを表したい」というところです。これが「在り方」です。
「ところが、掃除を始めた頃は、階段を拭いている私の手の上を飛び越えていくような社員ばかりでした。」
みなさんは考えられますか。社長が、一生懸命階段を拭いているときに、平気でその手を飛び越えると。そのような社員ばかりだったそうです。さらには
【「銀行の担当者からも、もっと社長らしい仕事をするべきじゃないですか」と言われたこともありました。また、「うちの社長は掃除しかできない」という社員の批判を外部の人を通じてしばしば耳にしました。】
自分が本気で「社員のために」と思ってやっている掃除を、社員は「うちの社長、掃除しかできないんだよ」と、外部の人に文句を言っています。鍵山さんは、なんとか社員への感謝の気持ちをあらわしたくて少しでも穏やかな心になってほしくてそんな思いで掃除をしているのに、そんな風に言われたら·…どう思うでしょうか。鍵山さんは。「そういう声を耳にするたびに、何度やめようと迷ったかしれません。迷っては戻り、戻っては迷って今日までやってきました。」
ここに、「今目まで」と書いてありますが鍵山さんは本当に「今日」も掃除をしているはずです。今、鍵山さんはもう、イエローハットの社長も辞めて取締役相談役をやっていますが、社長をしていた頃も土目とか関係なかったそうです。正月も関係なく、毎日每日やると。それも会社の中だけじゃなく。会社の周り、何百メートルも先までとにかく毎日キレイにしています。もう40年以上も毎日…そんなレベルだそうです。

掃除が築いた強力な信頼関係~担任のあるべき姿をの取り組み~

「掃除を始めて二十年くらい過ぎたころ、社内に定着した『掃除をする社風』が仕入先やお客様からも評価されるようになりました。20年…。さきほど、この本を読んで「間違いなく、イエローハットは掃除の力で、あんなに大きくなったんだ」と言いました。イエローハットが最初にしたことは、実は取引先の掃除だったのです。
イエローハットは当時、カー用品の卸売でしたから、取引先は当然カー用品店です。その取引先の店舗の周りやトイレを掃除してあげるらしいです。当時のカー用品店の駐車場には必ずドラム缶が置いてあって、それがゴミ箱だったそうで、当時は分別もダイオキシン問題もなかった頃ですから、とにかく何でもその中で燃やしてしまっていつもそこから煙が出ている…そんな状況だったらしいです。イエローハットの社員はまずドラム缶をキレイにして、トイレ掃除を始めるそうです。そうすると、感じ方は人それぞれかもしれませんが、当時は「勝手なことするな」とお店の人に言われたりすることが多かったそうです。場合によっては、「そんな勝手なことするなんてもうお宅とは取引しない」なんて言われることもあったそうです。しかし、イエローハットの社員は自分達の商品をそんな環境で売ってほしくないと思っているわけです。いつもゴミゴミしていて暴走族しか来ないようなそんな環境じゃなくて、般の人が来ても気持ちよく買物できるような。
そんな環境でウチの商品を売ってほしいと思っているわけです。そう思っているから掃除をしに行くわけで…なのに文句を言われる。…それでもイエローハットの社員はやめなずに。やり続けます。何度も何度も繰り返していると、やっと、「いつも掃除してもらってすまないね」と、そんな風に言ってくれる店が増えてきたそうです。そうなると、イエローハットとお店との信頼関係がガシッとできてくるわけです。私は、この本を読んでびっくりしたことがあります。イエローハットは、取先に見積書を出さないそうです。見積書なしに、その商品を納入してそのまま代金を振り込んでもらうらしいです。見積書とは、「この商品をいくらで売ります」っていう計算書のことです。その見積書がないということは、いくらなのかわからない商品を買うってことなんです。値段のわからない商品を買うって恐ろしいことだと思います。それなのに見積書も書かず、相手に商品と一緒に請求書を送ってそのままその金額を振り込んでもらっているというのは、どういうことかと言うと、
相手は、もう、イエローハットのことを信用しきっている、ということです。「イエローハットがこの金額、と言うんだったら、それが精一杯の値段なんだろう。ウチの会社はイエローハットと取引したいんだから、当然、その金額を払うよ。」という、信頼があるということです。これは、スゴイことです。仮にイエローハットが「あの会社はいつも請求書通りに振り込んでくれるから、本当はもう少し安くできるけど、この値段で請求してしまおう」なんてことを、一度でもしてしまえば信頼関係は一発で崩れます。だからこそ、このようなことがずっとできているということは、イエローハットがものすごく努力をしているということでもあり、そうじゃないとこんなに長い期間、こんなに強力な信頼関係が、継続できるわけないですから。こういう力でイエローハットは大きくなったのでしょう。その元は掃除です。掃除の心からです。
鍵山さんは「日本を美しくする会」という会を作っていて、全国各地で「掃除に学ぶ会」を開いています。中学校や小学校を借りて、そこのトイレ掃除をみんなでするような取り組みです。もちろん鍵山さんが率先してやりますが、トイレ掃除をするのに裸足でやっています。しかも素手で。そのくらいキレイにするということです。
出典:『掃除道会社が変わる・学校が変わる・社会が変わる(鍵山秀三郎著)』

まとめ

いかがでしたでしょうか。学級経営をしていくみなさんにとって、学ぶことも多かったのではないでしょうか。何か少しでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです以下の記事で、鍵山さんのインタビューを紹介しています。ぜひご覧ください。

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